「官僚が巧妙に対処」 八重山教科書、高嶋氏が講演


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八重山教科書問題を収束させるため「官僚が巧妙に対処した」と指摘する高嶋伸欣氏(右端)=4日夜、竹富町西表島中野わいわいホール

 【西表島=竹富町】共同採択地区内で使用する教科書が統一できなかった八重山教科書問題を考える講演会が4日夜、琉球大学名誉教授の高嶋伸欣氏を講師に同町西表島の中野わいわいホールで開かれた。

竹富町の「子どもに真理を教える教科書採択を求める町民の会」が主催し、町民ら約25人が参加した。
 八重山教科書問題をめぐり、採択地区が「市郡」から「市町村」に変更され、来年から適用できるよう無償措置法が改正されたことについて、高嶋氏は問題を収束させるため「官僚が巧妙に対処した」と分析した。
 その背景に、有志による教科書寄贈で「無償措置法に穴が開いたという汚点を官僚は早く取り除きたい思いがあった」と指摘したほか、「安倍政権の強引な手法に対し官僚の不満が蓄積していた側面もあったのではないか」と強調した。
 高嶋氏は「安倍政権と官僚を追い込んだ竹富町が果たした役割は大きい。安倍政権の暴走を止める一つの芽を作ったと思う」と竹富町教育委員会の対応を評価した。
 竹富町教委の単独採択化については、小規模自治体でも退職教員などを加えた調査員構成で調査研究は可能などとして「独自の町単位の調査法を編み出しモデルケースになってほしい」と話した。