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【西原】1939年生まれの西原中学校7期生会(55年3月卒業)がこのほど、それぞれの戦争体験を記した記念文集「戦世を生き延びて」を刊行した。
来年で喜寿(数え年77歳)を迎えるのに当たり「幼少のころの戦争体験を記憶している最後の世代」との思いから、戦場での逃避行や肉親の死、学童疎開、収容所生活など沖縄戦の記憶を書きつづった計33人の手記を収めた。
原稿の依頼から整理・編集など完成までに2年をかけた。
400部を印刷し、平和教材として西原町内の6小中学校と町立図書館に寄贈する。
世話人を務めた新川善一郎さんは、「疎開先のやんばるで沖縄戦を迎えた。島尻に逃げた同期生はさらに大変な体験をし、死体を踏んで歩いたことなどを鮮烈に記憶している。二度と戦争を起こさないよう、孫たちの世代のために戦争体験を記録して残しておく責任を感じた。この文集が平和教育に少しでも役に立つことになればうれしい」と活用に期待した。
善一郎さんをはじめ編集作業に携わった新川武雄さん、塩川初枝さん、宮城政子さんは3日、西原町役場で開かれた学校長会を訪ね、各校に10冊ずつの贈呈書を手渡した。
小橋川明町教育長は「体験者の高齢化で沖縄戦の語り継ぎが風化しつつある中での出版に感謝する。生徒の事前学習などに活用して慰霊の日を迎えたい」と語った。
1部千円で販売している。問い合わせは、新川善一郎さん(電話)098(945)8332。