遺品が語る戦禍 西原で沖縄戦展 「ガマフヤー」の高江洲さん提供


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「戦争写真・パネル・遺品展」の見学者に町内で見つかった戦争遺品を説明する高江洲善清さん=6日、西原町中央公民館

 【西原】2014年度西原町平和月間に合わせた「戦争写真・パネル・遺品展」が30日まで町中央公民館で開かれている。当時の人口1万881人のうち46・9%が死亡するなど、沖縄戦の激戦地の一つとなった西原。沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」の高江洲善清さん(62)の提供により、町内で掘り出された戦争遺品の数々が展示されている。

 6日、高江洲さんによる見学者への説明会が行われた。高江洲さんは幸地グスク東側斜面や棚原野戦病院跡などで、日本兵と見られる51人分の遺骨を掘り出してきた。それに付随し身につけていた認識票や万年筆、砲弾を受けた飯ごう、自決に用いたと見られる銃剣なども見つかっている。
 高江洲さんは熱で変形した注射器やビール瓶を手に、「米軍は壕の中を攻める時に、火炎放射器や黄リン弾で火を入れた。ガラスが溶けるとなると1200度以上に温度が上がっている。遺品から戦争の悲惨さが見えてくる」と語った。
 米軍戦車に特攻する際に背負う「急造爆雷」の箱も見つかっており、そのレプリカが展示されている。高江洲さんは「防衛隊の沖縄の青年が『沖縄を守るのは君たちだ』と言われて担がされた。西原でも急造爆雷が使われていた」と指摘した。
 参加した与那嶺力さん(69)は「再び戦争のできる国に向かおうとしており、地上戦で大きな被害を受けた沖縄の人たちが大きな声を出す必要がある。学習資料として戦争遺品を常設展示する施設が西原にあってほしい」と語った。
 高江洲さんによる説明会は11日と16日にも開催する。両日とも午前10時から。入場無料。