胸に刻む学徒の思い 沖縄戦足跡たどる


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ピースウオークの参加者に戦争体験を語った宮城幸子さん(中央奥)=15日、南風原町新川のナゲーラ壕前

 第17回沖縄戦を知るピースウオーキング「ずいせん学徒隊、でいご学徒隊の足跡をたどる」(同実行委主催)が15日、那覇市から南風原町にかけて実施された。

47人が参加し、首里桃原町にあった県立首里高等女学校跡地から、南風原町新川の第62師団野戦病院ナゲーラ壕、野戦病院の分室だった識名壕までの約6キロを巡った。当時補助看護要員として動員された元学徒らが体験を語った。安倍政権が集団的自衛権行使容認を進める中、参加者は「二度と戦争を繰り返しては駄目だ」という体験者の言葉を胸に刻んだ。
 蒸し暑さの中、沖縄平和ネットワークの友利恵徳さん(63)のガイドにより、当時の学徒同様、勾配の多い道のりを歩いた。
 ナゲーラ壕前では瑞泉学徒隊(当時首里高等女学校4年)の仲西由紀子副会長(87)、大川トヨさん(88)、宮城幸子さん(86)が証言した。その後、移動した参加者は、住宅密集地の地下にある識名壕に入った。識名公民館で梯梧(でいご)学徒隊(当時私立昭和高等女学校4年)の稲福マサさん(86)が体験を語った。
 ピースウオーキングは2010年に始まり、各地の沖縄戦をたどる。沖縄平和ネットワーク、南風原平和ガイドの会、元沖縄戦記録フィルム1フィート運動の会などが実施する。代表の垣花豊順さん(80)は「自分の足で歩くことで、理屈じゃなく感性で戦争を体験してもらいたい」と語った。