普天間5年内停止 米高官「不可能、県に伝達を」


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 米国務省高官が今月上旬、米軍普天間飛行場移設問題などを話し合うため訪米した日本政府高官に対し、仲井真弘多知事が求めている普天間の5年以内の運用停止について「普天間の返還は名護市辺野古への移設後で合意している。代替施設の完成なしに運用の停止はできないということをしっかり沖縄側に伝えてほしい」と述べていたことが分かった。

 5年以内の運用停止は、知事が辺野古埋め立てを承認する際に日本政府に突き付けた条件だが、米側が重ねて否定した格好。今月9日からの高良倉吉副知事の訪米を前に、くぎを刺す狙いもあったとみられる。
 両政府の高官は会談で沖縄の負担軽減に協力することを確認。だが米側は県が求める牧港補給地区の7年以内の返還についても「非常に困難」との認識を示したという。オスプレイの半数の県外移転要求には、県外への訓練の移転で対応する方針で一致した。
 県は運用停止に関し、政府との「普天間飛行場負担軽減推進会議」などで協議しているが、「運用停止」の定義は定まっていない。
 訪米した高良副知事は12日にラッセル国務次官補と会談した際、運用停止に関し「周辺住民が負担が軽減されたことを認識できることだ」と述べ、事実上、要求のハードルを下げるような提案を米側に示した。これに対し米政府は普天間の運用能力は維持した上で「辺野古の代替施設ができるまでの間、さまざまなアイデアを出し危険性除去に努めたい」などと述べるにとどめている。