オスプレイ部品落下 本島周辺飛行中 通報、発生2日後


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 米軍普天間飛行場に所属する垂直離着陸機MV22オスプレイの部品が落下していたことが20日、沖縄防衛局への取材で分かった。人的被害の情報はないとしている。落下は17日午後から夜にかけて発生したとみられるが、在日米軍から防衛省を通じて沖縄防衛局に連絡があったのは2日後の19日だった。

県と宜野湾市は同日、沖縄防衛局から連絡を受けた。落下場所などに関する情報提供はなかった。
 在沖海兵隊は取材に対し、「通常飛行訓練中にペンほどの大きさの部品が海上に落下した。ほかの部品は落下しておらず、けが人もいない」と被害がなかったことを強調する一方、通報が2日遅れたことに対しては回答しなかった。県基地対策課や宜野湾市は20日、防衛局を通じて米軍に対し安全管理の徹底や再発防止を申し入れた。
 普天間飛行場に配備されているオスプレイをめぐっては2013年2月、基地周辺を飛行中に水の入ったボトルを落下させたが、部品の落下は初めて。
 落下物をめぐって日米両政府は1997年、「日米の通報手続きに関する特別作業部会(AWGON)」で、米軍機からの落下物事故に関し基地内外を問わず、日本側への迅速な通報を合意している。
 防衛局によると、落下部品は機体後部の垂直安定板に取り付けられている長さ約15センチの棒状の部品。静電気を放電させるために機体に取り付けられている。17日の午後5時ごろ、普天間飛行場を離陸し、本島周辺の海上などを飛行して同日午後11時ごろに戻った後の点検で部品がなくなっていることが判明したという。
 県基地対策課は「物の落下事故が相次いでおり、極めて遺憾だ。一歩間違えば重大な事故につながりかねない」として、在沖海兵隊と防衛局に再発防止と安全対策の徹底とともに早期通報を強く求めた。
 在沖海兵隊は本紙の取材に対し、飛行ルートを明かしておらず、落下場所については「はっきりしていない」としている。その上で、「海兵隊は地域住民の安全を真剣に考えている」とコメントした。
英文へ→US Marines take two days to reveal an aircraft part fell from Osprey