慰霊の日「非戦今こそ」 集団的自衛権に反発


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沖縄全戦没者追悼式の後、焼香する参列者=23日午後1時ごろ、糸満市摩文仁の平和祈念公園(諸見里真利撮影)

 戦後69年を迎えた慰霊の日の23日、糸満市摩文仁の平和祈念公園で「沖縄全戦没者追悼式」(主催・県、県議会)が開かれ、沖縄戦で犠牲となった20万人余のみ霊を慰め、世界の恒久平和を誓った。

各地の慰霊の塔では慰霊祭などが行われ、県内は鎮魂と祈りに包まれた。昨年12月の仲井真弘多知事の辺野古埋め立て承認を受け、米軍普天間飛行場の移設作業を加速させる政府の強硬な姿勢に反発がある中、照屋苗子県遺族連合会長は同飛行場の県外移設、喜納昌春県議会議長は早急な閉鎖・撤去を求めた。仲井真知事は平和宣言から「県外移設」の文言を削除する方針を転換し、「県外への移設をはじめとするあらゆる方策を講ずる」と述べた。
 県内各地の慰霊祭では、安倍晋三首相が目指す、解釈改憲による集団的自衛権の行使容認に反発する声が多く上がった。
 平和祈念公園には早朝から遺族が続々と訪れ、平和の礎に刻銘された戦没者の名前の前で子や孫と一緒に花を手向ける姿や、刻銘板に刻まれた肉親の名前を指でなぞる姿があった。平和祈願慰霊大行進は午前9時に糸満市役所を出発し、沖縄本島南部の激戦地を歩いた後、追悼式に合流した。
 追悼式には約4600人(主催者発表)が参列。昨年は約5800人だった。参列者は正午に、一斉に黙とうをささげた。安倍首相、伊吹文明衆院議長、山崎正昭参院議長のほか、キャロライン・ケネディ駐日米大使が出席した。
 石垣市立真喜良小学校3年の増田健琉(たける)君の平和の詩「空はつながっている」の朗読に会場からは大きな拍手が送られた。
 平和の礎には本年度、54人が追加刻銘され、刻銘者総数は24万1281人となった。
英文へ→Ceremony to mark 69th anniversary of the end of the Battle of Okinawa: pledge not to wage wars again