岩礁破砕に「反対」 辺野古移設工事で名護市が意見書


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名護市の職員(左)から岩礁破砕等許可申請書に添付する市の意見書を受け取る沖縄防衛局の職員=26日、名護市役所

 【名護】名護市は26日、米軍普天間飛行場の辺野古移設工事に向けた岩礁破砕について、沖縄防衛局に対し「反対する」との意見書を提出した。市は「岩礁破砕は埋め立て工事の根幹部分だ」とし、仲井真弘多知事の埋め立て承認の不備を反対理由に挙げた。

埋め立て承認で仲井真知事が、公有水面埋立法上の基準に適合していると判断した根拠を明確に示していない点や埋め立て承認の際に、漁港漁場整備法に規定されている漁港管理者(名護市長)の同意を得ていない点など5項目6点を提出した書面で指摘している。
 沖縄防衛局は名護市に申請している辺野古漁港使用許可など4件の手続きで、市の求めに応じて6月初旬に補正資料を提出した。それ以降、今回が初めての市の回答となった。26日、沖縄防衛局の職員が名護市役所を訪れ、意見書を受け取った。沖縄防衛局は「市に照会していた意見書を受け取った。内容を確認の上、適切に対応したい」と答えた。
 辺野古移設に向けた埋め立て承認について市は、県に対して理由の説明を求める文書を3度にわたって郵送しているが、これまで県から回答はないという。
 意見書で市はそのほかの反対理由として、「岩礁破砕によって土砂の堆積など漁港の利用に重大な支障が生じる恐れがあるにもかかわらず漁港管理者と調整してない」「予定水域での文化財調査が実施されていない」「辺野古川河口部が狭くなるなどの影響が及ぶ恐れがあるが、河川管理者と調整されていない」「漁業従事者の操業だけでなく、近隣の海洋レジャーなど市の産業に重大な影響を及ぼす」―を挙げた。
 名護市長意見は、沖縄防衛局が県に岩礁破砕許可を申請するために必要として、市に提出を求めていた。市から申請内容や様式の不備を指摘されたことを受け、防衛局は関連資料などを添付し、補正資料を市に再提出していた。