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【豊見城】豊見城市教育委員会は22日、市内の戦跡巡りを実施した。戦争当時、伊良波地区住民の避難壕となっていたサバキナ壕跡や旧海軍司令部壕を巡った。
サバキナ壕は住民が掘った手掘り壕で、道路整備のためことし3月、一部が削られ、コンクリートでふさがれた。事前に発掘調査した教育委員会生涯学習部文化課の大城達宏課長は「九つの穴のうち三つの穴は奥が深くその先に続いていそうだった」と分析した。
海軍壕では、とよみ史跡友の会の新里輝吉会長が当時の状況を説明した。新里会長によると、海軍壕は標高74メートルの高台にあり、那覇軍港と小禄飛行場を見守るためのエリアだった。「海軍壕があったがために、住民は食料を提供したり、周辺の多数の防空壕建設に駆り出されたりした。当時の豊見城村民の45%が犠牲になった。地元での戦没率としては県内で一番高い」と話した。
海軍壕に入る前には、兵士たちが夜間斬り込みに出て行ったとされる出口を確認した。新里会長は「兵士たちのほとんどは武器もなく、手製のやりで出撃し多くが戻ってこなかった」と説明した。
豊見城市歴史民俗資料展示室(市立中央図書館1階)では、サバキナ壕の写真や証言を展示する企画展「戦争のきずあと」を29日まで開いている。