辺野古工事に着手 陸域施設解体、代替予定地で初


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米軍キャンプ・シュワブ内の辺野古崎付近で、構造物を重機で解体する作業員=1日午後1時40分ごろ、名護市辺野古

 沖縄防衛局は1日、米軍普天間飛行場の名護市辺野古のキャンプ・シュワブ沿岸部への移設に伴い、代替基地の建設予定地にある既存施設の解体作業を開始した。防衛局は解体工事に先立ち、県に対して6月30日に県環境影響評価条例に基づき、陸域部分における飛行場や関連施設の工事着手届出書を提出した。

これまで、埋め立てに関する海域生物調査や設計業務などを進めてきたが、基地建設予定地での工事業務への着手は初めてとなる。
 海域での工事については別途、着工届を県に提出する予定で、埋め立て工事に先立ち、7月下旬をめどに海底ボーリング調査を開始する方針だ。
 飛行場施設は陸上部分約45ヘクタール、埋め立て部分約160ヘクタールの計約205ヘクタール。防衛局は代替施設建設に向けて既にシュワブ内の兵舎整備などを進めているが、今回はV字滑走路計画部分にかかる診療所や隊舎、倉庫などの解体工事に着手した。
 護岸ブロックなどの仮置き場にする作業ヤードを整備するための解体工事で、6月20日の日米合同委員会で合意していた。V字形滑走路の整備予定地にある庁舎3棟、隊舎2棟、倉庫1棟の撤去など約2500平方メートルに及ぶ大規模な工事になる見込みで、工期は来年1月末まで。解体工事費は約9300万円。解体後、作業ヤードを設置して埋め立て工事に着手する計画だ。移設工事全体の完了予定は2019年10月31日。
 1日はシュワブ内で施設を解体する作業の様子が確認された。埋め立て予定地の辺野古崎周辺の海上では防衛局の調査船や警戒船、海上保安庁のボートなど十数隻が航行。建設に反対する住民らが船を出すなどして警戒したが、目立った混乱はなかった。
英文へ→Defense bureau starts removing buildings within Camp Schwab in Henoko to build a new air base