水域制限「正当性欠く」 名護市長、解体着手を批判


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米軍キャンプ・シュワブ内の解体工事着手について「移設進展をアピールするもの」と批判する稲嶺進名護市長=2日、市役所

 【名護】稲嶺進名護市長は2日の定例記者会見で、政府が米軍普天間飛行場の移設を計画する名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ内で、代替基地建設予定地にかかる既存施設の解体工事に着手したことについて「移設進展をアピールするものだ」と批判した。

政府が埋め立て工事のために辺野古沖で立ち入りを常時禁止する水域を拡大したことについては「正当性を欠く」と訴えた。
 稲嶺市長は、シュワブ内で既に実施されてきた兵舎立て替え工事も、移設に関連する「一つの流れ」と指摘した上で、これまでの工事は詳細な説明がなかったと説明。今回は情報が明らかにされたことについて「知事の埋め立て承認後、表に出して(計画が)進展していることをアピールしている」といぶかった。
 その上で今後予定される移設の本体工事に関して、法や条例に基づき「肝心なところで止める運動を展開していく」と強調した。
 日米両政府が常時立ち入りを禁止する「臨時制限区域」を設定したことには「提供水域は米軍演習のためのものだ。埋め立てのために拡大するのは正当性を欠く」と指摘した。
英文へ→Nago mayor criticizes government for starting demolition work to build new air base