伊平屋、伊是名、多良間 世界農業遺産申請へ


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 伊平屋、伊是名、多良間の3村は、各村で今も行われている伝統的な農法を国連食糧農業機関(FAO)が認定する「世界農業遺産」に申請する。同遺産への申請は県内で初めて。

7日に3村の協議会を立ち上げ、31日付で申請する予定。専門家による現地調査やFAOと国連大学による審査を経て、来春にも認定地域が決まる。
 伊平屋、伊是名、多良間の3村では、畑のそばに防風林を植えたり、気候に合わせて40種以上の野菜を育てたりする家庭菜園など、自然災害が頻繁に起きる環境で農業を続けるために継承されてきた農法を申請する。
 同遺産登録の外部アドバイザーを務める石原修さんは「交流人口の少ない離島地域にこそ、伝統的な農法が残っている。世界農業遺産に登録されることで付加価値が付き、地域でのブランドづくりに期待できる」と話した。
 世界農業遺産は、伝統的な農法や農業景観の継承を目的に設立された。
 これまで世界で25カ所が認定されており、国内ではトキと共生する農法を継承している新潟県佐渡地域や、野焼きや放牧で草原を維持管理する農法のある熊本県の阿蘇地域7市町村など、5カ所が認定されている。認定地域は、地域住民を主体にして伝統の維持や継承に関する事業に取り組む。