【台風8号】きょう最接近 宮古全5.5万人に避難勧告


社会
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 大型で非常に強い台風8号は7日、勢力を強めながら沖縄の南の海上を北西に進んだ。「7月としては過去最強クラス」とし、気象庁は「数十年に1度の現象」を基準にした「特別警報」を同日夜、宮古島地方と沖縄本島地方に発令した。宮古島地方が「暴風波浪特別警報」、本島地方が「波浪特別警報」で台風で「特別警報」が発表されるのは全国初。沖縄気象台は「重大な危険が差し迫る異常事態」とし、猛烈な風が吹く前の避難を呼び掛けた。同日午後10時58分、宮古島で最大瞬間風速29メートルを記録した。県内では同日午後11時現在、少なくとも38市町村で111カ所の避難所が設置され、310人が自主避難している。宮古島市は全住民の約5万5千人に避難勧告を出し警戒を呼び掛けた。 

 県内発着の空と海の便で7日、欠航が相次いだ。8日は各航空会社の全便が欠航を決めており、沖縄都市モノレール、本島の路線バスも始発から運休する。
 台風の最接近は、宮古島地方で8日昼前、本島中南部、久米島地方は同日夕方、本島北部は同日夜を見込んでおり、久米島地方は8日朝に、本島は昼前に暴風域に入ると予想している。
 台風8号は7日午後10時現在、宮古島の南南東約300キロ、那覇から南南西440キロにあり、時速15キロの速さで北西に進んでいる。中心気圧は930ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は50メートル、最大瞬間風速は70メートル。
 気象庁によると、沖縄本島地方は8日にかけて風がさらに強まり、最大風速が久米島で55メートル、沖縄本島で50メートルの猛烈な風が吹き、最大瞬間風速も75メートルに達する見通し。
 総雨量は沖縄地方で300ミリに上り、波の高さは本島、宮古、石垣で14メートルが予想される。
 県は7日、台風8号の接近に伴い、災害対策本部を設置した。仲井真弘多知事は同日の会議で幹部職員に対し、情報収集や被害を最小限に抑えるための対策などを指示した。宮古島地方に特別警報が発令されたことを受け、8日は全課の職員の3分の1を出勤させる第3配備を敷いて警戒に当たる。
 沖縄電力によると7日午後10時現在、宮古島市伊良部前里添で200戸の停電が発生している。