「有効」「撤回を」併記　埋め立て承認、百条委報告書採択へ

　米軍普天間飛行場の移設に向けた仲井真弘多知事の辺野古埋め立て承認を検証する県議会調査特別委員会（百条委、當間盛夫委員長）は１４日、承認は有効とする自民党と、承認撤回を求める野党の見解を両論併記した最終調査報告書を全会一致でまとめた。

１５日の本会議で採択される。
　社民護憲、県民ネット、共産、社大の野党会派は、稲嶺進名護市長や関係部署との調整がないまま土木建築部内で承認判断がされたことなどを指摘し、「傲慢（ごうまん）で不透明な判断に導き出された承認決定は撤回されるべきだ」と主張した。
　承認審査に関する庁内の協議録がないことにも「説明責任を果たす姿勢は毛頭感じられず、県民による検証と解明の機会を奪う情報の隠蔽（いんぺい）が組織的になされた」と批判した。
　一方、与党自民党がまとめた調査結果は「承認手続きに不備、瑕疵（かし）は認められない。知事判断の裁量部分も限られている。恣意（しい）的に承認したものではない」と結論づけた。
　環境生活部が「環境保全の懸念が払拭（ふっしょく）できない」と指摘した点については「同様なアセスメントでも『環境保全に問題がない』との意見は述べたことはない」と指摘。過去の埋め立てでも環境保全が懸念される中、承認されていることを強調した。
　野党側は原案から自民の見解を削除した修正を提案したが、採決で賛否同数となり、委員長裁決で否決された。その後の原案の採決には賛成した。
　公明党は与野党の取りまとめに加わらなかった。