身近にある戦跡に足を運んでほしい―。沖縄戦の際、鉄血勤皇隊として動員された元県知事の大田昌秀さんが理事長を務める沖縄国際平和研究所の職員がこのほど、那覇市教育委員会に渡慶次克彦教育長を訪ね、市内の戦跡78カ所を記した「沖縄戦戦跡マップ1 那覇市」を108枚寄贈した。
市教委は市内小中学校54校に2枚ずつ配布し、平和教育に活用してもらう考えだ。
同研究所がまとめたマップはフルカラー印刷のA2判で、市内の壕や慰霊碑、激戦地跡などの場所が写真付きで紹介されている。解説文も添えられ、市出身の戦没者数や壕で起きたことなどが紹介されている。
研究所の桑高英彦さんは「沖縄戦の継承をどうしていくか、あらためて大きな課題になっている。未来を担う小中学生がこのマップを通して身近にある戦跡に足を運び、沖縄戦のことを学ぶ一助としてほしい」と大田理事長のあいさつを代読した。
渡慶次教育長はマップを見ながら「知らなかった戦跡の方が多い」と話し、「戦争体験者が戦争の悲惨さを語り継いできてくれたから今日まで平和が続いてきた。時間がたつにつれ、体験者の方々がいなくなっていく中で戦跡や平和関連の施設を通し、平和教育をしていかないといけない。大切な資料として活用させていただく」と感謝の言葉を述べた。
研究所は今後、那覇市以外の市町村の戦跡マップも順次作製していく予定だ。マップは那覇市西の同研究所で1部500円で販売している。問い合わせは沖縄国際平和研究所(電話)098(979)9490。
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