「軍強制」復活を 「集団自決」で出版社に 9・29実現させる会


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 【東京】「9・29県民大会決議を実現させる会」は16日、都内の教科書出版社4社を訪ね、「集団自決」(強制集団死)の日本軍強制を高校歴史教科書に明記するよう求めた。

2015年から始まる高校歴史教科書の検定作業に向け、出版社が改定作業に着手する前に要請するのが狙い。要請に対し、出版社からは「執筆者に伝え、今後検討していきたい」などの回答があったという。
 要請には、県子ども会育成連絡協議会前会長の玉寄哲永さん、白梅同窓会長の中山きくさん、県高校PTA連合会長の仲西春雅さん、県高教組執行委員長の福元勇司さん、琉球大学名誉教授の高嶋伸欣さん、県老人クラブ連合会の安谷屋聡一朗さんが参加した。
 要請の場で玉寄さんは「軍からの命令があったのは確かだ。(記述復活は)超党派で動いており、県民の心を踏みにじってはいけない」と強調した。
 高嶋さんは、文部科学省が検定基準に政府見解や最高裁の判例に基づいた記述とすることを追加したと説明。最高裁で住民の「集団自決」(強制集団死)の日本軍関与を認めた判決が確定していることを指摘し、出版社が自主規制しないよう求めた。
 要請先は日本史教科書を出版する実教出版、山川出版、東京書籍、清水書院の4社。