戦争の記憶、若い人に ミュージカル座公演「ひめゆり」


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 ミュージカル座(さいたま市、ハマナカトオル代表)が17日~22日まで、東京でミュージカル「ひめゆり」を上演する。沖縄戦で看護隊として動員され、多くの犠牲者を出した「ひめゆり部隊」の悲劇を描く。18年前の初演以降、戦争の記憶を伝える作品として上演を続けている。

 学徒のキミ役には神田沙也加さん、生徒たちを指導する上原婦長役は劇団四季で「李香蘭」を演じた沼尾みゆきさんが務める。
 出演者はほとんどが20~30代の若手。脚本、作詞、演出、振り付けをするハマナカさんは「日本と米国が戦争したと知らない子もいる」と話す。しかし毎年「ひめゆり」を上演することで沖縄戦を知り、自ら沖縄に行き、戦争体験者に話を聞いたり、移住したりする子もいるという。プログラムには俳優たちが沖縄の感想を記している。
 日本兵が壕の中で赤ちゃんを殺すシーンが物議を醸したこともあった。ハマナカさんは「終戦の時に全ての日本人が抱いた『二度と戦争をしてはならない』という誓いをもう一度思い起こすために若い人に見てほしい」と話している。沼尾さんは「上原婦長の『生きているから未来がある』というメッセージを伝えたい。思いを南に向けて演じる」と話した。
 上演はシアター1010で。問い合わせはミュージカル座(電話)048(825)7460。

沖縄戦で米軍に攻撃され逃げ惑うひめゆり学徒隊の姿を演じるミュージカル座の稽古=さいたま市内
「戦争を繰り返してはならないという思いを伝えたい」と話すハマナカトオル代表(左)と婦長役の沼尾みゆきさん=さいたま市