海上で逮捕権行使も 県警、辺野古の移設作業


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 米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に伴う海底ボーリング調査に向け、県警が海上での身柄拘束を視野に警備体制を組んでいることが18日、複数の関係者への取材で分かった。浮標灯(ブイ)の設置作業に合わせ、警備艇を出して警戒に当たる方針。

 県警と海上保安庁が連携し、反対派市民が提供水域に侵入するなどの行為があった場合に刑事特別法(刑特法)などの法律を適用する。県警関係者は「今回は政府の意向が強く働いている。10年前の失敗を踏まえフル装備で警備に当たる」と話している。
 県警は2004年のボーリング調査時にも、数隻の警備艇を出動させ警戒に当たった。県警が所持する警備艇は先島に配置されている船を含めて9隻。今回も各署から辺野古沖に集結させる予定で、10年前よりも増やす見込みだ。加えて、海保が出すゴムボートに警察官が同乗することも検討している。海保は刑特法を適用した例はないため、県警と協力して逮捕を行使する構えだ。一方、防衛局も名護漁協などの協力を得て漁船をチャーターし、「警戒船」として辺野古周辺海域を航行させている。
 海保と県警はここ数年、尖閣諸島の警備を合同で行うなど連携強化を進めてきた。香港の活動家らの乗った船が日本の領海内に侵入した12年には、県警と第11管区海上保安部は約30人体制で島に待機。上陸した7人を含め計14人を現行犯逮捕した。
 関係者は「反対派ともめて逮捕した場合、海保が実況検分したり証拠を集めたりというのは、なかなか厳しいところがある。警察はそういう要領が分かっている」と話している。