ひめゆり平和祈念資料館 開館25周年特別展が開幕


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開館25周年記念特別展「ひめゆりの証言員たち」のオープニング・セレモニーでテープを切る(前列左から)島袋淑子館長、本村ツル理事長、大見祥子さんと証言員たち=18日午前、糸満市のひめゆり平和祈念資料館

 糸満市のひめゆり平和祈念資料館で18日、開館25周年記念特別展「ひめゆりの証言員たち-沖縄戦を伝えてきた25年-」が開幕した。亡くなった学徒らの遺影を収めたアルバムなどを展示している。1989年6月の開館から資料館に立ち続け、沖縄戦の実相や亡くなった学友の生きた証しを伝え続けてきた元ひめゆり学徒隊の証言員の歩みを紹介している。

オープニングセレモニーには証言員9人が参加し、「ひめゆりの心」を引き継ぐ学芸員たちと共に作り上げた展示を感慨深げに見て回った。
 開館当時27人いた証言員は2014年7月現在、9人になった。最年長が89歳、最年少は86歳だ。証言員たちは沖縄戦後、亡き友への思いを抱き続け、開館から25年間にわたり「戦争は絶対にやってはいけない」という信念で語り続けてきた。
 その姿を間近で見てきた学芸員たちが、証言員の生きざまや思いを伝えようと特別展を企画した。
 あいさつに立った平和祈念財団の本村ツル理事長(89)は「証言員がまだ資料館に立って話しているのに、私たちのことを展示すると聞いて最初は驚いた。しかし、証言員が語り続けてきたことを今伝えないといけないという学芸員の強い意志に動かされた」と思いを語り、「(学芸員らは)私たちの姿を頭から足の先まで見てきた。心強く思う」と話した。
 津波古ヒサさん(86)は「沖縄戦を生き延び、苦労を分かち合った証言員たちは家族以上の存在だ。25年間、共に一日一日を一生懸命頑張ってきた。苦しいと思うことはなかった」と振り返った。
 20日、26日、8月16日の午後2時から、学芸員による展示解説を実施する。特別展は来年3月31日まで。