工工四琉歌を英訳 野村流・新里師範「海外普及の一助に」


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野村流工工四の琉歌を英訳した新里光雄さん=15日、那覇市の琉球新報社

 野村流音楽協会相談役・師範の新里光雄さん(76)がこのほど、琉球古典音楽野村流の工工四(楽譜)の琉歌(歌詞)を英訳した「琉球古典音楽への誘(いざな)い Guide To Ryukyuan Classical Music」を完成させた。今後、出版を目指しており「琉球古典音楽が海外へ普及する一助になればいい」と話している。

 新里さんは県庁職員として長年、国際交流に関わり、海外の人々に沖縄文化を伝えてきた。2011年から琉歌の英訳を始め、14年6月に完成させた。工工四の上中下巻から100曲を選び、古典的仮名遣いの琉歌にローマ字仮名を振り、歌意の英訳などを載せている。今後は演奏を収録したDVDを製作する計画だ。「先生がいない地域で本とDVDが習得の助けになればいい」と話す。
 協会の屋宜盛一ハワイ支部長によると、ハワイでは日本語で書かれた工工四を基に、個人がローマ字を振ったり意味を説明したりしている。屋宜さんは「ハワイで生まれ育った指導者もおり、琉歌をどれだけ理解しているかという問題がある。英訳本があると役立つのではないか」と期待した。