三越、「リウボウ商事」に 金融機関、債権38億放棄


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沖縄三越跡開業までの流れ

 9月に閉店する沖縄三越(那覇市、杉山潤治社長)の再生計画の全容が判明した。地域経済活性化支援機構(東京、旧企業再生支援機構)が支援する。第三者割当増資でリウボウホールディングス(HD、糸数剛一社長)と支援機構が合わせて1億円を出資し、10月から社名を「リウボウ商事」に変更し、沖縄三越の事業を引き継ぐ。

県内各金融機関が保有する沖縄三越への債権合計約38億円は全額放棄する。現有株式は消却する方向で、今月中にも開く臨時株主総会に諮る。機構と沖縄銀行から再生に必要な融資を受け、リウボウ商事は来年3月からの観光商業施設開業に向けた準備を進める。
 支援機構は1日、支援を決定し、発表する。機構による支援は県内では、沖創建設以来2例目。
 リウボウ商事は、リウボウインダストリーなどと並んでリウボウHDの傘下に入る。第三者割当増資でリウボウHDが65%、機構が35%を出資する。社長に糸数リウボウHD社長が就く。機構からも役員が入る。
 沖縄三越の現有株主はことし2月末で、三越伊勢丹や沖縄電力、OCS、県内金融機関ら42株主で、発行済み株式総数は2万2520株。支援の決定を受けてこれら全株式を消却する方針。
 主な沖縄三越の債務は、沖銀が16億6千万円、沖縄振興開発金融公庫が10億9千万円、琉球銀行が7億円、沖縄海邦銀行が3億9千万円の計38億5千万円。支援決定で機構は各金融機関に債権放棄を依頼する。各金融機関は依頼に応じる見通し。債権放棄は金融機関保有分だけで、一般取引先の債権は支払われ、影響はない。(滝本匠)