テナガコガネ発見30年 環境省、自然保護へ講演会


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生きたクワガタと触れ合う子どもたち=7月26日、国頭村民ふれあいセンター

 【国頭】環境省那覇自然環境事務所は7月26日、国頭村民ふれあいセンターでヤンバルテナガコガネの新種発見30周年を記念した講演会「ヤンバルテナガコガネと沖縄のカブトムシ・クワガタ」を開いた。100人余が来場し、沖縄の特殊な自然環境について学んだ。

 新種発見に貢献した一人、琉球大学名誉教授の東清二氏は「山原にしかいない珍しい動物がいる。山原は面白い場所だ。全県民に知ってほしい」と述べた。ヤンバルテナガコガネが暮らせる希少な自然について「いつまでも残るように、一人一人が知恵を絞って守りたい」と語った。
 沖縄のカブトムシとクワガタについて講演した九州大大学院教授の荒谷邦雄氏は「沖縄にしかいないカブトムシやクワガタが多い」と述べ、「世界的に見ても貴重な環境だ」と話した。
 珍しい姿をしたクワガタの写真を見せると、会場から驚きの声が上がった。荒谷氏は「その貴重な自然がいま、危機を迎えている」と強調し、乱獲をやめて、外来種を放さないように呼び掛けた。
 会場には、ヤンバルテナガコガネの標本が展示され、子どもたちが興味深そうにのぞき込んでいた。また、生きたカブトムシやクワガタと触れ合う機会もあった。