泡盛を世界文化遺産に 準備委員会が発足


社会
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泡盛の世界遺産登録に向けた準備委員会発足について記者会見する泡盛マイスター協会の新垣勝信会長(左から3人目)ら=4日午前、県庁

 黒麹(こうじ)菌を使った泡盛をユネスコの世界無形文化遺産に登録しようと、泡盛マイスター協会(新垣勝信会長)は4日、登録推進に向けた準備委員会を立ち上げた。昨年、世界無形文化遺産に登録された和食に続き、沖縄の食文化の登録に向けて活動を開始する。

「和食」登録で検討委員を務めた東京農業大学の小泉武夫名誉教授は、今回の発起人の一人として「黒麹菌を使う食文化は世界でも沖縄だけ。県民の機運を高めて登録に結び付けたい」と意気込みを語った。
 4日会見で発表した。委員長には琉球大学の安田正昭名誉教授が就く予定。マイスター協会の新垣会長は「黒麹菌は沖縄の宝。泡盛はもちろんのこと料理などにも用いられている。県民が力を合わせて世界遺産登録につなげたい」と意気込んだ。県酒造組合の玉那覇美佐子会長は「泡盛の製造技術は黒麹を使った昔ながらの製法を守りながら発展している。世界遺産に登録されれば、世界に泡盛を発信できる」と話した。
 小泉氏は会見で、泡盛について「黒麹菌は400年以上の歴史があり、沖縄の食文化に根付いている。和食の登録の次は黒麹菌の登録だと思っていた」と話した。北谷町での県町村議会正副議長研修会でも講演し「行政が住民と一体となって盛り上げていく必要がある。世界遺産になるとその経済効果も大きい」と全県的な取り組みを求めた。
 世界遺産登録は、小泉氏が5月末の泡盛マイスター協会創立10周年記念式典の講演で提唱した。準備委の名誉委員に河合正保沖縄総合事務局長と川上好久副知事が就任する予定。9月18日に第1回準備委員会を開催する。
 11月30日に第1回のシンポジウムを開き、知事に対し登録に向けた要請書を手渡し、国や関係機関への支援を求める。
英文へ→Awamori promoted for registration in the World’s Cultural Heritage list