シュワブ前、歩道占用の根拠なし 北部国道事務所が見解


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 【名護】米軍普天間飛行場の名護市辺野古への代替施設建設工事のため、沖縄防衛局がキャンプ・シュワブ旧第1ゲート前歩道の一部にかかる形で鉄柵を設置し市民らの立ち入りを制限している件で、歩道部分の占用と立ち入り制限に法的根拠がないことが4日、分かった。

鉄柵と山形突起がある鉄板の設置許可を出した沖縄総合事務局北部国道事務所が、違法性を指摘した市民らに明らかにした。同事務所の大城純一副所長は鉄板について「危険だ」との認識を示した上で、防衛局に安全対策を指導していると説明した。沖縄総合事務局が鉄板の危険性について言及したのは初めて。
 大城副所長は防衛局や県警などが歩道上の住民まで排除していることに対し、安全対策の一環との見方を示した上で「防衛局は歩道管理者ではないので、法的拘束力はない」と指摘。歩道上の住民を排除してきた防衛局に法的根拠がないとの認識を示した。
 同事務所によると、防衛局が占用できる対象は車道上の鉄板と仮設ゲートの構造物だけで、構造物のない歩道部分は占用対象外となっており、住民が立ち入っても違法ではない。しかし、防衛局や県警、警備会社は仮設ゲートから基地側の歩道に立ち入ろうとする住民を排除していた。
 同日、ヘリ基地反対協議会の安次富浩共同代表などが同事務所を訪ね、占用の違法性を指摘。その後、一転して県警などは歩道への立ち入りを規制をせず、防衛局の管理物である鉄板への立ち入りだけを制限した。

歩道をめぐって沖縄防衛局の職員らと対立する新基地建設に反対する市民ら=4日午後2時40分ごろ、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ旧第1ゲート前