国境超え 交流熱く カチンバ4+台湾のスミン


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音楽を通じて交流を深めたライブ「Suming feat Kachimba」=2日、那覇市の桜坂劇場

 ラテンバンド「カチンバ4(クワトロ)」と台湾の先住民アミ族のアーティストSuming(スミン)とのライブ「Suming feat Kachimba」が2日、那覇市の桜坂劇場であった。音楽を通じて、沖縄と台湾との国際交流を果たし、訪れた観客は濃厚な時間を満喫した。

 カチンバ4はカチンバ1551のメンバーからベース、フルートなど4人で構成。スミンは先住民のメンバーで構成する「トーテム」のボーカル。沖縄の音楽を基盤にラテンの音楽要素を取り入れるカチンバと、大地に響くような重厚な音色が響く先住民の伝統的音楽をベースに、ロックなどの要素を取り入れるスミン。
 2012年、カチンバ1551のライブを目にしたスミンが音楽性に共感を受け、交流が始まった。ことし台湾で開催されたスミンのイベントにカチンバ1551が出演するなど、友好を深めてきた。
 第1部では、カチンバ4の最新アルバム「熱帯高気圧」に収録されている楽曲を中心に繰り広げた。ゆったりとしたスタートで始まる「島豆腐」は、うちなーぐちの合いの手も観客を一つにする。「Guantanamera」はボーカルのTAROの熱い歌声が魅力的で会場を包んだ。
 「大風(うふかじ)」は、TAROのパーカッションやSHUのベースなど4人が刻む、せわしないリズムで目まぐるしく展開し、観客も肩を揺らして盛り上がる。
 第2部はスミンがロック、バラードと幅広いジャンルの曲を立て続けに披露。時に透き通る、時に熱い歌声を響かせた。
 第3部はカチンバ4とスミンの待望の共演。カチンバ4の演奏に合わせて、歌声を響かせるスミン。「Singo」はスミンのギターから演奏が始まり、観客も手拍子で応える。TAROのパーカッションなども演奏に厚みを持たせる。終盤には、カチンバ1551のメンバーも加わり、熱いステージを展開する。「赤田首里殿cha」では、スミンがぎこちなくカチャーシーを披露。観客もともにカチャーシーを楽しんだ。
 TAROの「同じ価値観を持ったアーティスト同士が交流することが文化の活性化につながる」との思いが込められたライブ。その思いは国境を超え、さらなる友好の深化につながっていく。(大城徹郎)