モンゴル800の高里悟さんと言えば、がまかつのグレ釣り大会で全国優勝したほどの腕前を持つ釣り師。カーエーやタマン釣りなどにも精通していて、彼がプロデュースしてカーエー竿が出来上がった。
その竿を使って、実釣取材を計画したのが7月30日。当日は台風12号の影響で風速12メートル前後、時折激しい雨がたたきつける厳しい状況だった。取材は中止かと思っていたら、風裏になるから釣りは大丈夫との連絡が入り、急いで現場に向かった。風は強いものの、水面は比較的穏やかだった。
竿を出してすぐに小型のタマンやビタローなどが釣れるものの、本命のカーエーがなかなか釣れない。夜中の0時を回ると雨風がさらに強くなるが、高里さんは竿を置こうとしない。当日を逃すと今度はいつ取材ができるかわからないからだ。
激しい雨の中、雨具も着ずに半袖・半ズボンで集中する高里さん。そんな彼の情熱に負けて最初にカーエーが釣れたのは午前1時59分。35センチ前後のカーエーがあっと言う間に宙を舞い堤防に抜き上げられた。そして2時35分に40センチ近いカーエーを釣り上げたところでようやく納竿。一流になる人は違うと感じた取材だった。
(おきなわ釣王国社・仲栄真修)