9地点掘削ほぼ完了 辺野古移設 大型台船投入へ


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キャンプ・シュワブ沿岸部の掘削調査の進展状況

 【辺野古問題取材班】米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古沖の新基地建設工事に向けた海底ボーリング調査が加速している。沖縄防衛局は当初、1カ所の調査に7~11日間程度かかると想定していたが、2~4日ほどで作業を終える地点もあり、29日現在で陸域、海域の計21調査予定地点中、9地点の調査をほぼ終えた。

来週にも大型のスパット台船を投入し、水深の深い大浦湾側の9地点の調査に着手し、早ければ9月中旬までに調査を終えるとみられる。
 調査期間の予定は11月30日までで、現在実施している掘削調査のほか、船を使った40日間の磁気探査と、7月ごろから開始していたとみられる潜水による140日間の磁気探査が含まれているが、防衛局は作業全体をなるべく早く完了させたい考え。11月16日の知事選が迫る中、調査をなるべく早期に終了させて埋め立て事業を既成事実化させる狙いがあるとみられる。
 調査の進捗(しんちょく)に関して防衛局関係者は「1カ所で11日間程度という当初の予定は作業に余裕を持たせた日程だ。2~3日で終わる所もある」と述べ、作業は順調との見方を示した。
 防衛局は18日に1基目の小型のスパット台船で大浦湾側のキャンプ・シュワブ沿岸部で調査に着手。同日、陸域部分の調査地点となる砂浜での調査も開始した。
 最初のオレンジ色のスパット台船は設置から次の調査地点に移動するまで7日間かかったが、18日に辺野古崎の約100メートルに設置された青色のスパット台船は4日後の22日に辺野古漁港方面に移動。作業が進むにつれ、1地点の調査を4日前後で完了させている。
 調査は陸域5、海域16の計21地点で、29日までに陸域の調査はほぼ終えた。海域の調査も水深の浅い7地点のうち5地点目の調査に着手している。
 水深の深い9地点は大型のスパット台船を投入し、複数箇所を同時に調査する方針。移設に反対する市民らの海上抗議行動や気象状況などで作業に遅れが出る可能性もある。