市民に呼応、応援続々 県外学生グループも


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島田忠彦さんの三線演奏に乗ってカチャーシーを踊る集会参加者=名護市辺野古

 【辺野古問題取材班】新基地建設が進む名護市辺野古では31日、海上の臨時制限区域を示しているとみられる大浦湾側でダイバーが潜水する姿が確認された。新基地建設に反対する市民らは、辺野古漁港の座り込みテントで抗議を続けた。県内外から多くの人が訪れ、基地反対への思いについて意見を交換した。

 南風原平和ガイドの会が主催した「辺野古応援ツアー~いつ行くの?なまやさ」の参加者57人は午前、座り込みテントを訪れた。玉城双善会長は「戦争に関わる全てのことに反対したい」とバスツアーを企画した理由を説明した。
 慶応大、早稲田大、関西大などの学生でつくる「沖縄を考える学生ネットワーク」の9人もテントを訪れ、ヘリ基地反対協議会の安次富浩共同代表の話を熱心に聞いた。初めて辺野古を訪れた栗橋悠助さん(20)=東洋大2年=は「海を埋め立てると、自然と共存してきた地域の文化まで奪われてしまう」と語った。
 海底ボーリング(掘削)調査のためのスパット台船に作業員はなく、新基地建設反対を訴えるカヌー隊の抗議活動もなかった。

◆替え歌で闘い鼓舞
 名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ前で座り込み、新基地建設反対を訴える市民らは、拳を突き上げる合間に、替え歌でも仲間たちを鼓舞する。壊されようとしている辺野古の自然の美しさや、闘いを鼓舞する歌詞を、なじみ深い沖縄のメロディーに乗せて一体感を高め合っている。
 宜野座村の伊波佳さん(71)は「十九の春」のメロディーに乗せて〈ヒンプンガジュマル風にゆれ/あなたと歩いた名護の町/サンゴの海で戯(たわむ)れて/平和の空を残そうよ〉と歌う。30日の集会では「汽車(今は山中)」の替え歌も歌い、参加者の喝采を浴びた。
 三線をかき鳴らし「唐船ドーイ」の替え歌を披露する島田忠彦さん(66)=宜野座村。辺野古の自然の大切さや闘いを支援する気持ちを歌詞に込めたこの替え歌は、ゲート前の集会を締めくくる恒例となった。歌詞は妻の美代子さん(65)が作詞したという。三線歴約30年というベテラン唄者の島田さんは「役に立てばと思い、練習してきた。ウチナーの歌で闘いをさらに盛り上げたい」と語った。