オキカ、QR券 来月稼働 モノレールで先行


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 沖縄都市モノレール(ゆいレール)などのIC乗車券「OKICA(オキカ)」を運営する沖縄ICカードの仲吉良次社長(ゆいレール社長)は1日、県庁で会見し、10月20日からオキカとQR乗車券を発売し、新システムを稼働すると発表した。

改札機に触れるだけで通過できるシステムで、20日から従来の磁気券のシステムと並行稼働し、30日からは非接触式に全面移行する。沖縄本島バス4社は来年4月から導入する。
 オキカは、PASMO(パスモ)など県外の交通系ICカードとの相互利用はできず沖縄独自のカード。県外系との接続を断念したのは、県外との連携では事業費で2倍、維持管理費で4倍のコスト増となるからだという。オキカの発行は初年度3万4千枚、10年後には35万6千枚を見込む。各駅券売機や窓口で販売する。1枚につき500円のデポジット(保証金)を取り、3万円までチャージ(入金)できる。回数券や磁気券は廃止する。片道10枚運賃で15%引きとなる現行の回数券制度に代わって、月利用額に応じたポイントを段階的に付与する新たなサービスを導入する。
 オキカの定着具合を見ながら2年後をめどに、船舶やタクシーへの導入、コンビニやスーパーなど商業利用の電子マネーとしての拡張も検討する。
 QR乗車券をモノレールなどの鉄道会社に導入するのは全国初。乗車券にQRコードを印字して非接触で改札機で読み取る仕組み。
 仲吉社長は「沖縄初のICカード導入を喜びたい。土産品としても持ち帰ってもらって、8割のリピーターの観光客にもまた来県して利用してもらいたい」と県民だけでなく観光客にも利用をアピールした。
 事業費は全体で27億円で、8割を一括交付金で賄い、2割をゆいレールとバス会社で負担する。

オキカやQR乗車券の改札機。触れるだけで残金が表示される=1日、那覇市の沖縄都市モノレール
オキカやQR乗車券の改札機。触れるだけで残金が表示される=1日、那覇市の沖縄都市モノレール