88歳山内さん、箏新人賞 稽古3年目の快挙


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箏曲新人賞に合格した山内竹子さん(左)と師匠の中山民子さん=8月26日、北谷町の山内さん宅

 第49回琉球古典芸能コンクール(琉球新報社主催)の箏曲新人賞に88歳の山内竹子さんが合格した。86歳で箏を始め、3年目での快挙だ。「生きている間に少しでも箏の妙味が分かればうれしい」と謙虚に話す。

 以前から「三線と箏のハーモニーが好きでずっとやりたかった」という山内さん。一念発起し、琉球箏曲興陽会師範の中山民子さん(69)が指導する箏サークルに八十の手習いで通い始めた。その後、弟子入りして稽古場にも通うようになった。
 中山さんにコンクール受験を勧められると、山内さんは二つ返事で挑戦を決意。2カ月で課題曲を覚え、周囲を驚かせた。「物忘れは多いけど曲は一生懸命覚えた」と笑う。最初は声も出なかったが次第に歌えるように。家族も稽古の送り迎えをして支えた。
 山内さんは8月22日、審査を受けて合格した。「先生の指導が良かった。『頑張る過程が大事だ』という家族の言葉にも励まされた」と感謝した。中山さんは「みんなの励みになる。最高賞を目指して」と激励した。