事故克服、初の野生復帰 保護のイリオモテヤマネコ


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調査用の発信機を取り付け自然に返る前のイリオモテヤマネコ=3日、竹富町西表島(環境省西表野生生物保護センター提供)

 【西表=竹富】8月に西表島で交通事故に遭い環境省西表野生生物保護センターに保護されていた国の特別天然記念物イリオモテヤマネコが3日夜、体力が回復したとして自然に返された。交通事故からの野生復帰は初めての事例という。

 保護されたイリオモテヤマネコは生後約5カ月の幼い雌で、8月26日に西表島の県道の中央付近に横たわり動けないでいるところを、通りかかった大学生が見つけた。
 連絡を受け保護した同センターは、額付近にか擦り傷があり、左右の瞳孔の開きが違うことなどから頭を打っているとみて、交通事故に遭った可能性が高いと判断したという。
 同センターが治療を続け、順調に回復したため、調査研究用の発信機を付けた首輪を装着し、発見した近くの森に放した。
 福田真自然保護官は「今回、早い治療で助かった。イリオモテヤマネコを目撃したり、衝突してしまったりした場合はいつでもセンターに通報してほしい」と協力を求めた。その上で「西表島での車両の走行時は特に夜間、十分周囲に注意して運転してほしい」と呼び掛けた。
英文へ→An Iriomote wild cat released back into the wild after recovering from injuries in a car accident