[海保暴力]威圧的行為が横行 「組織として問題」


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 「取りあえず座れ!」。8日正午ごろ、辺野古漁港側の台船を囲む浮具(フロート)を越え、抗議しようとした30代男性は複数の海上保安官に取り押さえられ、海保のゴムボートに乗せられた。

「黙っとけ」「何で勝手に入ったんだ」と怒鳴るような強い口調で質問を浴びせてきたという。海保は市民の一時拘束を「安全確保のための任意同行」とするが、男性は「問答無用でたたき込まれた感じだ。とても威圧的だった」と憤る。
 海上では連日「暴力はやめてください」「高圧的な態度をやめろ」などと、市民の訴えが続く。抗議船に乗るカメラマンは保安官が抗議する女性の腕を無理やり背中の方へねじ上げたり、首を押さえ付けたりする様子を撮影している。海保もカメラを回し、一連の警備活動を撮影しているが、海上保安庁の佐藤雄二長官は「安全確保のため現場はよくやっている」と評価した。第11管区海上保安本部も一連の警備活動について「過剰警備には当たらない」との認識を示す。
 カヌーで連日抗議する、ある市民は「海保の対応も(初期と比べて)だいぶ変わってきた。対応がまともになった保安官がいる」とする一方、「告訴状が受理されたにもかかわらず、相変わらず同じように暴力的に海上警備に当たる保安官もいる。これは組織として問題ではないか」と指摘した。
 海保にけがを負わされた別の男性は「中には報道機関が見ていない所で、威圧的になる保安官もいる。県民の目の届かない所ではやりたい放題だ」と憤った。