琉球諸語の継承探る 危機言語大会が開幕


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世界各国から集まった研究者らを前に、琉球諸語の危機的状況を訴えて始まった危機言語財団第18回大会=17日、宜野湾市の沖縄コンベンションセンター

 危機言語財団(ニコラス・オストラー理事長)の第18回大会が17日、宜野湾市の沖縄コンベンションセンターで始まった。東アジアでは初開催。県内外の研究者らが琉球諸語の危機的状況を訴え、ハワイの沖縄系コミュニティーで取り組まれる継承活動についても報告した。

琉球舞踊などの芸能も披露され、沖縄の文化的多様性と独自性を世界に発信した。言語が危機的状況にある地域の話者や研究者ら、21カ国から約100人が参加した。
 琉球継承言語会の宮良信詳会長が、琉球諸語の成り立ちと仕組みを解説した。石原昌英琉球大教授が琉球語について「日本語との共存は可能だ。生活の中でしまくとぅばも話す社会に変えていけば、琉球語に対する肯定的な意識が定着し、継承につながる」と強調した。
 前田達朗東京外国語大教授は奄美語について「行政権を鹿児島県に握られ、経済力や人口規模も小さい。沖縄以上に深刻な状況にあり、奄美だけでなく沖縄の人々も共に継承に取り組む必要がある」と報告した。聖田京子ハワイ大名誉教授らが、ハワイ大学でのウチナーグチ継承活動について述べた。
 18、19の両日は、沖縄国際大学で研究者らが英語で発表する。一般公開はしない。