8離島水道料、広域化で低減 一部市町村値上げも


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 県は本島周辺離島8村の水道広域化を進める。県企業局が運営する水道用水供給事業に一部運用が移譲されることで、高コストのため本島よりもはるかに高い水道料金の引き下げにつながる見込みだ。一方、広域化に伴い、企業局の供給事業から受水している沖縄本島と伊江村の23市町村のうち一部は、水道料金を引き上げる地域があると想定されるため、県は今後理解を求める。

 水道を広域化する8村は北大東村、南大東村、粟国村、渡名喜村、伊是名村、伊平屋村、座間味村、渡嘉敷村。8村の水道料金(2012年度)の平均は10立方メートル2619円で県全域の1600円の1・6倍。県内で最も高い北大東村は3535円で2倍を超える。一般財源から5割近く繰り入れし運営する町もある。
 県は年内にも8村と基本合意し、23市町村に理解を求める方針。21年度にも完了する予定で早い自治体は17年度から先行実施する。
 8村は取水から家庭などへの給水までの水道事業を運営しているが、広域化により取水から配水池への送水までが企業局供給事業に移管される。各市町村が負担する施設整備費用などで値下がり幅は決まる。
 企業局供給事業から受水する市町村の水道料金は、企業局の「卸値」に運営費を加えて独自に設定する。
 企業局は現在、1立方メートル当たり102円24銭で市町村に販売している。企業局は広域化による値上がりを現段階で1立方メートル当たり3円程度と試算。卸値上昇分が全て水道料金に転嫁された場合、標準世帯(那覇市・月間使用量16トン)で約50円の値上がりとなる。