「ブレーク盤」Ｃｈｅｌｓｙ『Ｉ　ｗｉｌｌ／Ａｎｉｍａｔｉｏｎ』

ズレ加減が印象的な女子大生バンドのメジャー・デビュー作

　ギター＆ボーカルのＭＩＯ、ベースのＳＨＩＺＵＫＡ、そしてドラムスのＡＭＩの女子大学生３人によるバンドのメジャー・デビュー作。ＹＵＩを手がけた近藤ひさしがプロデュースを担当。ちなみに、インディーズ期から一貫して、楽器を持ちつつもキュートなファッション、そしてツノ（？）を生やしている。

　『Ｉ　ｗｉｌｌ』は、夏の恋に想いを馳せるスローバラード。『Ａｎｉｍａｔｉｏｎ』は、現実を抜け出すように騒ぎ立てるロックンロール。どちらも、ソニーのアーティストらしい抜けの良い歌声ながら、パワフルな演奏も、未完成さが目立つあどけない歌詞も想定内のポップロック路線から大きく外れていて意外。けれど、そのズレ加減が印象に残った。
　ＤＶＤでも、真剣なライブへの取り組みと、中華街でのグダグダな食レポを同時に収録。本作を見聞きすれば、この本気とユルさを併せ持つことが若者たちと共存する上で重要なのかもしれないと実感できるはず。
　（ソニー・ＣＤ＋ＤＶＤ初回限定盤１３８９円＋税、通常盤１０００円＋税）＝つのはず誠
（共同通信）
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つのはず誠のプロフィル
　つのはず・まこと　１９６８年生まれ。総合化学会社、音楽宣伝会社勤務を経て、Ｔ２Ｕ音楽研究所設立。音楽市場分析、コンピレーションＣＤの企画・選曲などを手がける。