那覇、民家の塀倒壊 各地で浸水、家屋倒壊


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 大型で非常に強い台風19号が接近した11日、長時間続いた雨風の影響で、県内各地で土砂崩れや道路冠水、倒木、信号機や街灯、電柱が折れるなど被害が相次いだ。

 那覇市首里久場川町では11日午前11時ごろ、民家の塀が幅約5メートル、高さ約15メートルにわたって崩れ、工事現場に土砂が流れ出た。土砂崩れによるけが人はいないが、周辺の3世帯7人に避難勧告が出た。
 宜野湾市では、倒木や床下浸水、住宅家屋の一部損壊などの被害が相次いだ。同市大謝名の市道では、約5メートルの樹木が倒れ、駐車中の車両のボンネットに激突し、車両を破損させた。同市消防本部は倒木をロープなどで固定し、道路を封鎖している。
 那覇市では、奥武山公園沿いのT字路に設置されている信号機が11日午後5時ごろ、強風にあおられ倒壊。けが人は出なかったが、山下交差点から那覇大橋間の片側2車線が、信号が撤去される同8時ごろまで交通規制された。
 7月の台風8号の影響で氾濫が起きたうるま市の天願川流域では、大雨と満潮時刻が重なった午後9時前まで警戒が続いた。11日未明に約2・4メートルだった水位は、満潮時刻の午後8時40分前に氾濫注意水位を超える約4・8メートルまで上昇した。市は午後6時前に川の増水を知らせるエリアメールを送信した。天願区は付近住民に公民館への車の移動を呼び掛けた。7月に浸水被害に遭った流域近くの民家では、住民が玄関先から不安そうに見詰めていた。
 本部町谷茶では11日夜、事業所の小屋に4メートル四方1トン級の落石があり、小屋が倒壊した。落石の影響で県道219号が同日午後11時2分から一部通行止めになっている。

暴風雨の影響で崩れた外壁=11日午後9時20分、那覇市首里久場川
強風で折れ曲がった看板=11日午前7時9分、浦添市牧港