台風19号 国頭に豪雨556ミリ 本部で巨石崩落


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土砂崩れで押しつぶされた鉄工所の加工場=12日午前8時30分ごろ、本部町谷茶

 大型で強い台風19号は12日、東シナ海を北上し、沖縄から遠ざかって九州南部に接近した。沖縄気象台によると、沖縄本島地方と久米島地方は12日午後6時までに風速25メートル以上の暴風域を抜けた。

10日午前0時から12日午後9時までの総降雨量は国頭村比地で556・5ミリ、東村平良で445・5ミリを記録。暴風域は本島地方に32時間かかり、国頭村奥で12日午前0時36分に最大瞬間風速45・3メートルを記録した。
 県によると、12日は沖縄市を中心に最大9万11世帯、20万9814人に避難勧告が出た。33市町村で最大277世帯、750人が避難した。沖縄電力によると12日午後10時現在、19市町村7700世帯が停電。うるま市石川楚南で最長50時間続いた停電は、同日午後9時半までに復旧した。
 名護市宮里で380・5ミリ、本部町謝花で331ミリなど県内5地点で24時間降雨量が10月の観測史上最大を更新、本島北部を中心に記録的な大雨が降った。国頭村伊地では土砂崩れが発生、住宅が半壊した。本部町谷茶の土砂崩れ現場では、鉄工所の加工場が押しつぶされ全壊した。
 沖縄気象台によると11日夜、南城市内で高潮警報基準に達するようなかなり高い潮位に達した。70世帯に避難勧告が出た与那原町板良敷では、11日夜の満潮と台風の接近が重なり、海沿いの住宅に高潮が押し寄せた。集落内の道路まで海水が流れ込み床上浸水の被害が出た。
 沖縄電力によると、12日は最大で31市町村5万3500世帯が停電。10日から12日までに32人(本紙調べ)が重軽傷を負った。県によると住宅などの全壊1軒、半壊1軒、一部損壊6軒、土砂崩れは9件あった。
 風速15メートル以上の強風域の影響は13日にかけて残り、本島地方では最大風速20メートル(最大瞬間風速30メートル)、先島諸島と大東島地方では最大風速15メートル(最大瞬間風速25メートル)が吹く見込み。海域もうねりを伴ってしけ、13日の波の高さは本島地方で8メートル、大東島地方と先島諸島で6メートルが予想される。
 中心気圧は970ヘクトパスカル、中心から北東側280キロ以内と南西側220キロ以内では暴風が吹き、中心から半径700キロ以内では強い風が吹いている。