「DVD=3」ポルノグラフィティ『13th ライヴサーキット“ラヴ・E・メール・フロム・1999”』


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「DVD=3」ポルノグラフィティ『13th ライヴサーキット“ラヴ・E・メール・フロム・1999”Live in MARINE MESSE FUKUOKA』
 最後はステージ上が男子校のノリに

 2014年にメジャー・デビュー15周年を迎えた男性2人組バンドのアリーナツアーから、今年3月29日に行われた最終公演を完全収録した2枚組だ。まず、毒舌のゆるキャラの登場から、ポルノグラフィティのこれまでの歩みをやや自虐的かつリアルに描いたオープンニング映像に引きつけられる。

その中でも印象的なのは、「まだまだみんなと夢の中にいたい」「まだまだ青春だーっ」という言葉。
 ボーカルの岡野昭仁、ギターの新藤晴一は以前と変わらぬ若々しさで、ヒット曲『サウダージ』『アゲハ蝶』『メリッサ』などを披露していく。ジャンル的にはJポップだが、歌詞や曲調やその存在感に歌謡曲のジャンルなのかもと思わせるときもある。飾らない2人の広島弁と人柄にもよるだろうか。最後はステージ上が男子校のノリに。音楽は、そこに表現されているリアルさに共感するばかりではなく、現実から逃れて夢の世界に連れていってくれるという一面があることをあらためて感じるようなライブだ。
 ツアー中の2人に密着したドキュメンタリーでは、声や体のケアをしながらも好きなキャッチボールやフットサルをして過ごしている自然体の2人が見られる。人気アーティストはだいたい人格者だが、この2人もご多分にもれていない。監督の味も出ていておもしろい。
 (ソニー・6481円+税)=小西樹里
(共同通信)
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小西樹里のプロフィル
 こにし・じゅり 1977年生まれ。米東海岸で高校・大学時代を過ごす。雑誌編集を経て、2006年よりフリー。音楽、本、映画、演劇、写真、ラジオなど文化系を守備範囲とする一方、国際政治論/動静ウオッチャーでもある。

ポルノグラフィティ『13th ライヴサーキット“ラヴ・E・メール・フロム・1999”Live in MARINE MESSE FUKUOKA』
小西 樹里