「DVD=1」森山直太朗『コンサートツアー2013-2014「自由の限界」』


社会
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森山直太朗『コンサートツアー2013-2014「自由の限界」~そろそろ本当の俺の話をしようか~』
 直太朗という人に一層の興味がわく内容

 今年2月16日、シンガー・ソングライターの森山直太朗が東京・NHKホールで行ったライブ映像と、それとは別に撮影されたドキュメンタリー風の映像で構成された作品。フォークシンガーの森山良子の息子ということや今では卒業式の定番となった2003年のヒット曲『さくら(独唱)』で知られるが、2002年のメジャー・デビューから10年を超えても変わらないスタンスで、オリジナリティーのある楽曲をマイペースに発表し続けている歌い手だ。

 本作は、ライブ映像作品に散見される、「ライブ映像+ツアーの舞台裏を追ったドキュメンタリー」という内容には収まらない。ドキュメンタリーは「~そろそろ本当の俺の話をしようか~」というタイトルながら、あやしげな風貌をした森山が、滝行をしたり、エスパー伊東と会ったり、楽曲の共同制作者で詩人の御徒町凧ともめたりと、どう見ても「本当の俺の話」ではない作り。
 一方のライブでは、『さくら(独唱)』『夏の終わり』『生きてることが辛いなら』『生きとし生ける物へ』など、深みのある楽曲ですばらしい歌声を聴かせながらも、女性が多数派の観客に対する照れ隠しなのか、すぐに冗談で笑わせて、楽曲のまじめさをけむに巻いている。森山直太朗という人に一層の興味がわく内容となっている。
 (ユニバーサル・4500円+税)=小西樹里
(共同通信)
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小西樹里のプロフィル
 こにし・じゅり 1977年生まれ。米東海岸で高校・大学時代を過ごす。雑誌編集を経て、2006年よりフリー。音楽、本、映画、演劇、写真、ラジオなど文化系を守備範囲とする一方、国際政治論/動静ウオッチャーでもある。

森山直太朗『コンサートツアー2013-2014「自由の限界」~そろそろ本当の俺の話をしようか~』
小西 樹里