低体重児の要因解明へ 県と市町村、母子健診データ分析


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 全国よりも高い割合が続いている低体重児(2500グラム未満)出生の要因を分析し、適切な支援につなげるため、県と41市町村は妊婦健診と乳幼児健診のデータを連結し分析する事業を進めている。妊娠期の健康状態や生活習慣が子どもの健康、発達にどのような影響を及ぼすかをより詳細に把握することで、妊婦への効果的な保健指導につなげる考えだ。

 対象は2009年度から13年度の妊婦健診、乳幼児健診のデータ。市町村、県国民保険団体連合会、県小児保健協会が持つデータを収集し、妊婦健診未受診妊婦の状況や、その後の乳幼児への影響などを分析する。
 小さく生まれた赤ちゃんは、器官が未熟だったり、合併症を持っている傾向があり、障がいが残ることもある。このため、周産期医療の現場では、低体重児出生を減らすことが長年の課題となってきた。
 県は1999年度に低体重児出生の要因調査を実施し、妊婦健診の公費助成の拡充、保健指導の強化など対策を講じてきた。しかし低体重児出生は減っておらず、80年以降一貫して全国よりも高い状態が続いている。2009年度からは妊婦健診14回分が全額公費負担になったが、13年の低体重児出生の割合は11・4%(全国平均9・6%)で、全国で一番高かった。
 県健康長寿課は「分析が進めば妊婦健診未受診の要因、その後の子どもへの影響がより詳細に分かるようになる。これから妊娠、出産する人への啓発や、小さく生まれた子を持つ親への支援がより効果的にできるようになる」と話した。