「大ヒット盤」いきものがかり『熱情のスペクトラム/涙がきえるなら』


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すぐになじめそうな両A面
 シングル28作目は両A面。2曲とも昭和のヒット曲ファンならすぐになじめそうな内容だ。

 『熱情~』の方は、アニメ『七つの大罪』のテーマ曲だが、希望を胸に「君」と夢を追っていこうとうたうアッパーチューンで、いきもの史上最もアニソンらしい仕上がり。なおかつ『進撃の巨人』のような激しい戦闘ものではなく、『タッチ』のような人間ドラマを想像させるのは、彼らならではの温もりがあるからだろう。“新時代”を「はじまり」、“革新”を「あこがれ」と読ませるのも80年代テイスト。
 『涙が~』は、ボーカルの吉岡聖恵が詞曲を手がけた優しいバラード。今春から『NEWS23』のエンディング曲となっているが、今日一日の出会いと別れを思い出してしんみりしそうだ。
 どちらも歌詞や演奏の細部にこだわりがあるのに、幅広い世代の心にすっとなじむ力を持っている。本作を聞き込めば、日常でも洗練されたシンプルなものがより好きになるはず。
 (ソニー・1165円+税)=つのはず誠
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つのはず誠のプロフィル
 つのはず・まこと 1968年生まれ。総合化学会社、音楽宣伝会社勤務を経て、T2U音楽研究所設立。音楽市場分析、コンピレーションCDの企画・選曲などを手がける。
(共同通信)

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