九州高校野球開幕 センバツ懸け 中部商、糸満出場


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 来春の選抜大会出場校選考の重要な参考資料となる、高校野球の秋季九州大会(第135回九州大会)は25日、福岡県の北九州市民球場を主会場に開幕する。春の甲子園出場の目安となる4強入りを目指し、18校が熱戦を繰り広げる。

県勢2校はいずれも2回戦からの登場。9年ぶりに秋季県大会を制し、春を合わせて11季ぶりの九州舞台に臨む中部商は26日に光陵(福岡)―鹿児島城西の勝者と対戦、2季連続出場の糸満は25日に佐賀学園と顔を合わせる。県勢決勝対決が実現した昨秋に続く活躍を期し、チームをけん引する両主将の士気も高まる。(大城周子)

◆中部商・根保主将 高まる団結力に自信
 県大会ではしぶとい試合運びで9年ぶりの優勝を飾った中部商。主将の根保飛翼(つばさ)は「九州へ向けて団結力が高まっている」と語る。
 8月の県新人中央大会で初戦負けだったチームは、文字通り「チャレンジャー精神」を発揮し、勢いのまま秋の頂点に駆け上がった。根保がターニングポイントに挙げるのは2回戦の美里戦だ。地区大会では大勝した相手に、延長十回の末サヨナラ勝ち。「全てを一から見直すチャンスをもらった」。手綱を締めることができたと振り返る。183センチの長身エース前田敬太と、打たせて取るタイプの伊波和輝。2投手を中心に守備からリズムを作るのが理想の流れで、捕手としても重要な役割を担う根保は「県外のチームは体格が大きくて長打力もある。うまく内角を突きたい」と思い描く。
 学校創立50周年で盛り上がる周囲の期待を背に向かう大舞台。根保は「舞い上がらず、初心を忘れず、頑張りたい」と気合をみなぎらせる。

◆糸満・池間主将 機動力発揮快進撃を
 春の九州大会で初戦敗退した雪辱に燃える糸満。前チームからレギュラーに座る池間誉人と岡田樹の1、2番コンビがけん引する。主将の池間は「目標はもちろん決勝だけど最低でもベスト4。たどり着けるよう意識を高く持って臨む」と力強い。
 今夏の県大会は決勝で沖縄尚学に敗れ、あと一歩で甲子園を逃した。当時3番打者だった池間は「精神面の弱さがあったと思う」と悔しさを思い返す。確実な犠打や次の塁を狙う積極的な走塁。相手は気が付くと、糸満ペースに巻き込まれている。それが勝ちパターンだが、秋の中部商との県大会決勝では硬さが目立ち、持ち味を発揮できなかった。打線も4安打で2得点とつながりを欠いた。
 飛び抜けた力こそないが、例年に比べて体格の良い選手がそろい、身体能力も高い。春秋通算で7度目の九州舞台。過去は全て初戦で敗退しており、池間は「機動力を見せつけて初戦からどんどん飛ばしていきたい」と胸のすくような快進撃を見据える。

「センバツを目指したい」と意気込む中部商の主将・根保飛翼
前チームから主力として活躍する糸満の主将・池間誉人