糸満が初戦突破、8強入り 九州高校野球大会が開幕


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
糸満―佐賀学園 5回糸満1死一、二塁、中越えの2点適時二塁打を放つ金城旭貞=25日、北九州市(普久原裕南撮影)

 【福岡県で大城周子】高校野球の秋季九州大会は25日、福岡県の北九州市民球場などで開幕した。糸満(沖縄2位)は初戦の2回戦で、佐賀学園(佐賀1位)を11―2の七回コールドゲームで破って8強入り。来春の選抜大会出場校の重要な選考資料となる今大会で、甲子園出場の目安となる4強へあと1勝と迫った。

 糸満は一回に4連打で3点を先制。その後も金城旭貞が3打席連続の長打で6打点を記録するなど、相手を圧倒した。糸満は27日の第2試合(午後12時40分開始予定)で聖心ウルスラ(宮崎2位)―明豊(大分1位)の勝者と準々決勝を戦う。
 沖縄1位の中部商は26日の第2試合(午前11時半開始予定)で鹿児島城西(鹿児島2位)と初戦を戦う。

◆打って走って初勝利 金城旭、3長打6点打
 春秋通じて7度目の九州大会でついに初勝利をつかみとった。2008年から指揮を執る上原忠監督にとっては“6度目の正直”。「今日の1勝でせきを切った。勢いでダーッといきたい」と笑みがこぼれた。
 打って打って、足でかき回す。力強く鮮やかな攻撃は、まさに疾風怒濤(どとう)だった。
 一回2死。県大会でも7割近い打率を記録した大城龍生が中前打を放つと、続く3打者も連打で畳み掛け3点を先制。三回には積極走塁で相手のミスを誘い、2安打で4得点と流れを完全に掌握した。特に活躍が目覚ましかったのは金城旭貞だ。3打席全てで2点タイムリーの長打。打力を買われて先発メンバーに抜てきされた背番号14は「県大会の悔しさをばねにバットを振ってきた。自信はあった」と胸を張る。
 県大会決勝で4安打と振るわなかった打線は、この日は11安打11得点と無駄なく攻めた。12安打を放ちながら2得点にとどまった佐賀学園とは対照的で、上原監督は「うちらしい野球。11安打で11得点も満点、12被安打で2失点も満点」とうなずいた。2盗塁を決めた岡田樹は「積極的な失敗はオーケーという気持ちで臨んだ。ずばぬけた選手はいないけど皆で同じ方向を向いて戦っていく」。あと1勝でぐっと近づく甲子園。縦じまのユニホームがダイヤモンドを駆け回る。(大城周子)

◇きのうの結果
▽1回戦
鹿児島城西 4―2 光陵(福岡)
聖心ウルスラ学園(宮崎) 4―3 八幡南(福岡)
▽2回戦
糸満 11―2 佐賀学園
   (七回コールド)
九州学院(熊本) 7―6 海星(長崎)

◇きょうの試合
▽2回戦
【筑豊緑地】11時半
中部商―鹿児島城西