ノグチゲラ衝突死多発 高江、窓ガラスに オスプレイ影響か


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窓ガラスにぶつかって死んだとみられるノグチゲラ=28日、東村の高江小中学校

 【東】東村立高江小中学校で28日、校舎の窓ガラスにぶつかったとみられる国の特別天然記念物ノグチゲラが死んでいるのが見つかった。ことしに入り同校周辺で同様に死んだノグチゲラが見つかったのは4羽目。

ノグチゲラの生態に詳しい東村ノグチゲラ保護監視員の中村保さん(70)によると、窓ガラスにぶつかってノグチゲラが死んだ例はほとんどなく、年に4羽が死ぬのは「過去に記録がない非常事態だ」と指摘。ノグチゲラの生息環境に大きな変化が起きているとの見方を示し、「オスプレイなど米軍機の低空飛行も影響しているのではないか」と話している。
 28日に、死んだノグチゲラが見つかったのは同校美術室の裏口付近。雄の成鳥で体長約30・5センチ。くちばしから窓ガラスに衝突したとみられるという。
 ことし2月には学校に隣接する民家の窓に衝突して死んだ個体が見つかり、8月5日、13日にも同校内で窓ガラスにぶつかって死んだとみられるノグチゲラが見つかった。絶滅が危惧されるノグチゲラの衝突が相次いだため、その後は、猛きん類の写真を窓ガラスに貼るなど野鳥の衝突防止策を取っているが、28日にも発生した。
 本島北部でノグチゲラなど野生生物を調べている環境NGO「やんばるの自然を歩む会」代表の玉城長正さん(75)は「異常だ。寒くなってくるこの時季、ノグチゲラは谷底や森の奥にいる。森の中で生活環境をかく乱することがあったはず。ヘリパッド工事の影響の可能性もある」と指摘した。
 東村職員時代から約40年間ノグチゲラを調査している中村さんは「ノグチゲラは国の特別天然記念物だ。県民、国民全体の問題として考えないといけない」と警鐘を鳴らした。
英文へ→Ospreys drive Okinawa woodpeckers from Takae; watchers warn