「洋楽＝１」バーブラ・ストライサンド『パートナーズ』

レコード芸術の真価を問う全米No.1アルバム

　トニー・ベネットとレディー・ガガのデュエット・アルバムに先んじて全米１位に輝いた珠玉のアルバムです。トニーのデュエット・アルバムの成功がきっかけとなって多くのアーティストが同様のアルバムを発表していますが、ショー・ビジネス界の頂点をきわめる彼女のアルバムこそ今日のレコーディング・アートの最高傑作と言えるでしょう。

　ＣＤの人気が下がりライブやアーティスト・グッズばかりが注目されている昨今の音楽業界ですが音楽を録音物として将来に残す作業が芸術でありライブとは違った文化を生みます。そんな意味でも価値ある“作品”を彼女は作ってくれたのです。
　オープニングを飾るマイケル・ブーブレとの『イット・ハッド・トゥ・ビー・ユー』の歌詞が意味するように、まさに“あなたしかあり得ない”人選そして選曲がなされています。スティービー・ワンダーからビリー・ジョエルそしてエルビス・プレスリー、才能と人間性の両面で魅力のあるパートナーたちです。
　（ソニーミュージック・２６００円＋税）＝北澤孝
（共同通信）
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北澤孝のプロフィル
　きたざわ・たかし　１９４７年、東京生まれ。小学生のころからダイナ・ショアなど洋楽を好み、大学時代はニューオリンズ・ジャズ・クラブに所属し、トラッド・ジャズを研究。その後レコード会社、音楽出版会社に勤務。携わったアーティストは、ポール・モーリアからボン・ジョヴィ、ブリトニー・スピアーズ、ＭＯＮＫＥＹ　ＭＡＪＩＫ、Ｓｕｐｅｒｆｌｙまで多岐にわたる。