米兵、民間地で銃所持か 北谷立てこもり事件


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 北谷町のキャンプ桑江の居住地区で、ライフル銃を所持した海兵隊員が自宅内に立てこもった事件で、海兵隊員がライフル銃を持ったまま、民間地を移動した可能性が高いことが6日、分かった。

在沖米海兵隊政務外交部(G7)が5日、隊員がライフル銃を別の基地から持ち出したことを北谷町に説明した。
 公務外で銃を所持し、基地外の民間地域を移動した場合は銃刀法違反となる可能性が高く、司法警察官の捜査対象となる。ただ海兵隊員の身柄が米軍管轄下にあることや事件が基地内で発生したことなどから、県警が銃刀法違反容疑で海兵隊員を立件できるかは未知数だ。
 町によると、海兵隊員はキャンプ瑞慶覧から装備品のライフル銃を持ち出し、その後、民間地域を経由して自宅があるキャンプ桑江に入った可能性が高い。一方、米軍は6日現在も海兵隊員の性別など事件の詳細を公表していない。銃器がどのような経緯で持ち出されていたかについても捜査中としている。
 法務省刑事局が1972年に内部資料として作成した「合衆国軍隊構成員等に対する刑事裁判権関係実務資料」では、第1次裁判権の有無にかかわらず、日本の法令による罪に係る事件については、司法警察職員は捜査できるとしている。
 嘉手納町の沖縄防衛局で6日に会見した井上一徳局長は、海兵隊員が銃を所持したまま民間地を通った可能性について「調査している」と述べるにとどめた。野国昌春北谷町長は「犯人の人格や動機によっては非常に危険な状況になり得た。詳細が明らかになっていないので、非常に心配だ。速やかに情報を開示してほしい」と話した。
 米兵事件に詳しい池宮城紀夫弁護士は「海兵隊員が民間地で銃を乱射し、住民を殺傷する可能性もあった。県警は米軍に対して取り締まりと事件の詳細説明を強く求めるべきだ」と話した。
英文へ→Marine barricaded in Camp Lester in Okinawa: possibly carried rifle in civilian district