水道広域化の覚書締結 県・企業局・離島8村


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水道広域化に向け覚書を締結した関係者=6日、県庁

 県と県企業局、渡嘉敷、座間味、粟国、渡名喜、南大東、北大東、伊平屋、伊是名の離島8村は6日、水道広域化に向けた取り組みに関する覚書を締結した。同日、県庁で調印式があった。

現在、8村は取水から家庭などへの給水までの一連の水道事業全てを各村が運営しており、高コストとなっている。広域化により取水から浄水処理までが企業局供給事業に移管され、本島よりも割高となっている水道料金の引き下げにつなげる。
 覚書には、水道用水の供給を2021年度までに実現できるよう取り組むこととや、水道料金を沖縄本島並みに近づけることなどが盛り込まれている。今後、水道用水供給事業変更の認可を得て、施設改修が終了した自治体から順次供給を開始し、早い自治体では17年度から供給が始まる見通し。
 12年度の8村の水道料金の平均は、10立方メートル2756円で県全域の1600円の1・7倍。県内で最も高い北大東村は3535円で2倍を超える。
 調印式で宮城光正北大東村長は「広域化は離島にとって長年の夢。水は産業振興、定住条件に欠かせない。格差是正のために一日も早い広域化に取り組んでいきたい」と話した。平良敏昭企業局長は「課題、解決法とも見えているので、前倒しも含めて取り組んでいきたい」と述べた。
 一方、広域化に伴い、企業局の供給事業から受水している沖縄本島と伊江村の23市町村のうち一部には、水道料金を引き上げる地域があると想定される。
 企業局は現在、1立方メートル当たり102円24銭で市町村に販売している。企業局は広域化による値上がりについて、現段階で1立方メートル当たり3円程度と試算。卸値上昇分が全て水道料金に転嫁された場合、標準世帯(那覇市・月間使用量16トン)で約50円の値上がりとなる。