外国人免税拡大1ヵ月 前年比3倍超の店も


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免税手続きを行う外国人観光客ら=4日、那覇市のイオン那覇店

 10月に訪日外国人向け消費税の免税対象が拡大してから1カ月。免税措置を導入している一部の県内小売店で、10月の免税品売り上げが前年同月の3倍を超えるなど外国人の消費が旺盛だ。

特に台湾、中国人客の来店が目立つ。今後外国人客の消費単価を上げるために各売り場の免税対応が鍵を握りそうだ。
 これまで訪日外国人に対する免税品は家電製品や衣料、バッグなどに限定されていたが、10月1日から食料品や化粧品などの消耗品も消費税免税の対象となった。
 リウボウホールディングス(那覇市)傘下のデパートリウボウ(那覇)は台風19号の影響で10月の全館売り上げは前年同月比1・7%と微増だったが、免税品の売り上げは約3・6倍、利用件数は約3倍の1601件と大幅に増加した。化粧品や、無印良品天久での商品購入が多かったという。
 先月1日に免税カウンターを設置したイオン北谷店は10月の全店の売り上げが前年同月比10%増加した。中国人観光客が資金決済に使う「銀聯(ぎんれん)カード」の利用は約4倍と大きく伸びており、免税品の伸びが全体の売り上げ増につながったとみられる。
 イオン琉球(南風原町)の担当者は「台風19号の影響がなければ、売り上げはもっと増えただろう」と分析した。1日からイオン那覇店にも免税カウンターを設け、さらに外国人客の消費需要を取り込んでいく。
 県内で3店舗を展開するディスカウントショップ大手のドン・キホーテ(東京)は、外国人客が最も多く訪れる旗艦店の国際通り店に免税カウンターを開設した。医薬品の需要が顕著に伸びており、抹茶やわさび味の菓子も人気だという。
 サンエー(宜野湾市)も10月中旬から那覇メインプレイス店で化粧品などの免税対応を始めた。今後食品の免税対応も取り入れる予定だ。
 一方、外国人客への多言語対応や、限られた店員数でスムーズに団体客への接客対応など課題もある。今後各店舗の免税レジの人員補充や外国語の強化などが外国人客の消費単価増につながりそうだ。(呉俐君)