かりゆしウエアの生産が順調に伸びている。県衣類縫製品工業組合(大坪慎治理事長)によると、ことし1~10月の生産枚数(生産予定を含む)は41万9225枚で前年同期比で約2万枚増加。例年並みに推移すれば、2014年の生産枚数は45万枚を超える見通しだ。製造各社の県外販路開拓などが背景にあるとみられる。
かりゆしウエアの生産枚数はクールビズの普及などにより、09年以降、右肩上がりで推移し、13年には43万1514枚と初めて40万枚を突破した。県外への出荷量は12年の5万枚から13年は8万枚に増加した。
県内とは別に、首都圏にターゲットを絞ったかりゆしウエアブランドを展開する日進商会(糸満市、大城英幸社長)は、14年度向けかりゆしウエアの販売量が前期比で約15%増加。7月から生産を始めた15年度向けは約20%増産する計画だ。
大城社長は「客のニーズに合った商品づくりに取り組んだことが増加につながった」と順調な伸びを分析。着用が定着した県内の一方で「県外は販売量全体の10%前後。まだまだ伸ばしたい」と話し、県外や海外展開に力を入れていく考えだ。
県は10月にスーツスタイルにも着用可能な長袖の「かりゆしドレスシャツ」を提案、普及を目指す。産業まつりでは、製造各社も長袖やウエディング用のかりゆしウエアを展示するなど、新たな需要開拓に取り組んでいる。
県衣類縫製品工業組合の伊良波勲事務局長は「ファッションに厳しい女性や若者への普及は道半ばだ。さらなる販路拡大には、各事業所が『アパレルメーカー』としてブランドやマーケティング戦略にも取り組んでいく必要がある」と話した。