コラソン今季初勝利 北陸電力に32―25


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 日本ハンドボールリーグ(JHL)の琉球コラソンは8日、浦添市民体育館で北陸電力と今季ホーム初戦を戦い、32―25で快勝、今季初勝利を挙げた。通算成績は1勝1分け2敗で暫定順位は5位に浮上した。

次戦は9日午後3時から、同体育館でトヨタ自動車東日本と対戦する。コラソンは出だしから連続得点を重ね、前半だけで10点差をつけた。後半は攻撃が停滞する場面もあったが、相手の反撃を振り切った。

琉球コラソン(1勝1分け2敗)
 32―25(18―8,14―17)
北陸電力(3敗)
 【評】序盤から琉球コラソンのペースで展開した。前半開始直後に名嘉真吾のシュートで先制。名嘉のサイドシュートやスピードに乗った連係プレーで得点を重ねた。後半は失速して相手に連続得点を許すなどしたが、逃げ切った。(大城周子)

◆ホームの熱気後押し 流れ変える突破口に
 詰め掛けた約1400人の観客の熱気に、琉球コラソンが勝利で応えた。ホーム初戦で待望の今季初白星。相手は格下とはいえ、これまでの嫌な流れを変えるにはいい突破口となる。大黒柱の東長濱秀作は「切り替えるにはいいチャンスだと思っていた。勝てて良かった」と安堵(あんど)の笑みを浮かべた。
 開幕からの敵地3連戦は1分け2敗。勝負どころでノーマークシュートを外したり退場者を出したりと、自ら流れを失っていた。エース棚原良は「今日は確率よく決めることを意識した。無理にシュートにいくのではなく間を割って(相手守備を)引き寄せていこうと思った」という。
 前半で勝負は決まった。連動した動きと速いパス回しで相手守備のマークを外し、サイドからも内側からもシュートを決めた。守備では相手のスペースをうまく詰めて攻撃の選択肢を狭めた。新人の青木翔太郎が今季初めてコートに立つなどメンバーを頻繁に入れ替え、さまざまなパターンを試すこともできた。
 ただ、欲をいえばもう少し点差をつけるべき試合だった。後半になると呼吸が合わない場面やパスミスなどが目立ち、失点もかさんだ。次に対戦するトヨタ自動車東日本は10月の国体で敗れた相手。棚原はチームに必要なものを「危機感」と言い、「プライドを持って泥臭くやらないといけない」と連勝へ気を引き締めた。
(大城周子)

◆前半は良かったが
 東長濱秀吉監督の話 前半は良かったが後半は雑なプレーが目立った。メンバーを入れ替えると歯車がかみ合わなくなるところがあった。次戦はディフェンス勝負になると思う。失速せずに突き放したい。

◆山田と内田の県出身者活躍
 トヨタ自動車東日本の山田隼也(興南高―早大出)と北陸電力の内田惠介(興南高―朝日大出)。県出身のルーキー2人が、実業団入り後初となる故郷での試合に臨み、横断幕や声援を背にプレーした。
 ともに2009年に興南が全国高校総体優勝を果たした時のメンバーだ。山田は早大では25年ぶりの全日本学生選手権優勝を経験、ことし8月に世界学生選手権の代表にも選ばれた。今季はここまで全試合に出場。この日も中に切れ込む動きでチャンスメークするなどし、湧永製薬戦初勝利に貢献した。「調子に波があるのが課題。常に安定したプレーのできる選手になりたい」とルーキーイヤーの抱負を掲げた。
 内田は身長179センチ、93キロの体の強さを生かしたポストプレーが光った。沖縄のチームとの対戦に「ホームでもありアウェーでもある。何ともいえない緊張感があった」と振り返る。敗戦には悔しそうな表情を見せ「もっとチームに貢献できるよう一から練習したい」と力を込めた。

琉球コラソン―北陸電力 前半45秒、先制のシュートを決める琉球コラソンの名嘉真吾=8日、浦添市民体育館(普久原裕南撮影)
湧永製薬―トヨタ自動車東日本 シュートを狙うトヨタ自動車東日本の山田隼也